美しいスタイルで男性のみならず女性からも高い人気を得ている中村アンさんがアンバサダーに就任し、TVCMでもバンバン流れていることで最近何かと話題になっている総合ダイエット、ヘルスケア・ウェルネスプラットフォームサービスを展開している「FiNC Technology(以下、FiNC)」。今回はこのFiNCが一体どんな企業なのか売上高やそのサービスがどういったものなのか少し掘り下げて調べていきたいと思います。
FiNCの基本情報
まずは、FiNCの創業者や創立年など企業の基本情報についてまとめていきたいと思います。
創業者(代表)のプロフィール
FiNCの現在の代表取締役であり創業者は「溝口勇児」さんという方になります。
溝口さんは、高校在学中の17歳のときにトレーナーの仕事を始め、これまでプロアスリートから芸能人まで多くの著名人のカラダ作りの指導をしてきたようですね。学歴としては大学には行っていないようなので、高卒でここまで会社大きくしてきたということですね。学歴がなくてもこのような大きな会社を育てあげるという意味でとても応援したくなる社長さんですね。
創業年月日
そして、トレーナーとしてキャリアを重ねていき、自身が生まれて1万日目の2012年4月11日にFiNCを創業されたようです。生まれてから1万人が創業年月日ということなので逆算すれば現在(2019年7月)で34歳ということが分かりますね(笑)。まだまだ若手の社長さんですね。
従業員数
創業してまだ10年も経っていないベンチャー企業ですが、従業員数は既にグループ会社やアルバイト、インターンを含み317名(2019年3月1日)を超えています。
FiNCのサービス一覧
そんな溝口さんが手がけるFiNCは、最初は今でこそひとつのビジネスモデルとして確立された「完全個室プライベートジム」事業等、数少ないサービスを展開していたようですが、今では下記に挙げる多くのダイエットやヘルスケアに関するサービスを手がけています。
FiNCのサービス一覧
- FiNC Interactive Communication
- FiNC for BUSINESS
- FiNC アプリ
- FiNC MALL
- FiNC プレミアム
- FiNC パーソナルサプリメント
- FiNC Fit
- FiNC ダイエット家庭教師
- FiNC ONLINE WORKS
このように現時点では9つの事業を手がける企業になっていますが、それぞれの事業を1つずつ簡単に紹介してみたいと思います。
FiNC Interactive Communication
FiNC Interactive Communicationは、ユーザー参加型の顧客接点構築ソリューションなどと難しい用語で公式サイトで説明されていますが、アプリ利用者などのデータを元を分析し、それを元にターゲティング広告を中心したマーケティングを行う事業だと思います。いわゆるデータ商売というやつですかね。
FiNC for BUSINESS
FiNC for BUSINESSは、BtoB型のビジネスで近年、国も推進している働き方改革の動きに合わせクライアント企業に対して従業員のヘルスケア管理をサポートするビジネスになるかと思います。
FiNCアプリ
FiNCアプリは、その名の通りスマホアプリ「FiNC」の開発・運営をする事業になります。現時点で既に累計530万ダウンロードされている国内ヘルスケア&フィットネスカテゴリでは人気No.1のアプリになります。AIトレーナーによるパーソナル指導が受けられるだけでなく、体重、歩数、睡眠、食事などの管理が簡単にできるアプリでとても使いやすいアプリです。ちなみに自分も使っています(笑)
FiNC MALL
FiNC MALLは、FiNCが手がけるECサイトですね。ヘルスケアのプロが厳選したヘルスケア商品を専門に扱っているところが特徴です。
FiNCプレミアム
FiNCプレミアムは、FiNCの定額制(サブスクリプション)サービスになります。毎月980円で高機能体組成計をレンタルできたり、ダイエットやヘルスケアに対する質問を24時間365日アプリ経由でいつでも質問ができたり、全国約3,000店舗の提携ジムやエステで優待サービスなどが受けられるようになります。
それだけでなく、利用することで毎月約1,000円相当のポイントが貯まるようになっており、そのポイントはさきほど紹介した「FiNC MALL」で販売される商品と交換が可能となっており、現在は実質無料で使えるようになっています。
本気でダイエットしたい方や自身のヘルスケアに悩まれている方にはおすすめのサービスなので気になる方は下記のリンクから2週間の無料体験を受けられるので試してみてください。
FiNCパーソナルサプリメント
FiNCパーソナルサプリメントは、利用者一人一人の生活週間や、食生活に合わせて専門家が最適なサプリメント5個を選別してくれて30日分のパッケージにして届けてくれるサービスになります。
FiNC Fit
FiNC Fitは、マンツーマンのパーソナルトレーニングジムの運営をするサービスになります。パーソナルトレーニングジムと聞くとライザップなどの何十万円もするようなジムのように聞こえますが、FiNC Fitは月額制で通う回数によって7,560円〜で利用することができるようになっています。
FiNCダイエット家庭教師
FiNCダイエット家庭教師は、ダイエットに焦点を当てたマンツーマンの指導サービスになります。遺伝子検査によって自分のカラダがどういったタイプなのかを解析し、その結果に沿った最適な食生活や運動方法等を専門家が指導・サポートしてくれるサービスになります。
FiNC ONLINE WORKS
FiNC ONLINE WORKSは、トレーナーやインストラクターや管理栄養士などの専門的な知識を有したプロの方向けのクラウドソーシングサービスになります。クラウドソーシングサービスとは自分の好きなタイミングや空いた時間に仕事をするシステムでクラウドワークスやランサーズが有名ですが、そのヘルスケア専門サービスのようなものですね。
FiNCプレミアムの紹介で24時間365日相談可能と説明しましたが、その人材確保という側面もある事業だと思いますね。
ウェルネス分野の総合プラットフォームサービスを目指している
このようにFiNCという企業はオンライン事業を中心に、ダイエットやヘルスケアに関心のあるユーザーを抱え込んで体重や歩数、睡眠、食事などの管理から専門家との相談、それからジム通い等、ダイエット、ヘルスケアに関する全てのことをFiNCひとつでカバーできるウェルネス分野の総合プラットフォームサービスを目指していることが分かりますね。
FiNCの売上や経営状態は?
このように今では、ダイエットをはじめヘルスケア分野をリードする企業の1つとなったFiNCですが、気になる売上や経営状態はどうなのでしょうか?
FiNCは現時点では未上場企業のため、決算公告をウェブサイトで開示されているわけではないので最新のデータを見つけることができませんでしたがネットで検索したところ、少し古くなりますが第6期の決算公告があったので、そのデータを元に紹介したいと思います。
FiNC第6期決算公告
売上高 | 7億4,671万円 |
---|---|
売上原価 | 11億7,337万円 |
営業利益 | ▲23億713万円 |
経常利益 | ▲23億1,881万円 |
当期純利益 | ▲25億8,212万円 |
当期純利益 | ▲25億8,212万円 |
資本金 | 23億3,137万円 |
資本剰余金 | 23億4,732万円 |
純資産 | 4億0,584万円 |
※起業LOG参照
第6期の決算公告は芳しくない?
第6期決算公告から見て取れる数字としては上記のような感じなので、これだけを見ると決して順風満帆な経営状態ではないということが分かります。売上原価と売上高の関係性からしてもキャッシュフローがなく正直これだけ見ると芳しくないと言えるでしょう。
55億円の大型資金調達に成功している
ただ、この決算発表以降の2018年9月20日にロート製薬株式会社や第一生命保険株式会社、NEC、資生堂等の企業がが引受先となる形で第三者割当増資を実施し55億円もの大型資金調達に成功しているので、例え利益が上げられなくても当分は経営状態に問題はないでしょう。
今は攻めの戦略?
というか、上記の決算自体は確かにそこまで良くはないのですが、55億円という大型の資金調達を合わせてFiNCは創業以来累計で100億円の資金調達に成功しており、そういった観点から見ればそれだけパートナー企業から将来性のある企業として見られているということに他ならないので、今は利益度外視で公告宣伝をガンガン打ってユーザーの獲得を最優先にして、いずれ回収していくという戦略と見て取れますね。メルカリと少し似ていますね。ちなみに、FiNCプレミアムの月額980円に対して、毎月約1,000円のポイント還元を行なっているのもそういったFiNCの戦略上の施策でしょうね。
つまり、FiNCの経営状態を見極めるのは時期尚早でもう少し時間が経ってからどうなるかという気がします。しかし、アプリも既に累計で500万ダウンロード以上されているので将来は比較的明るいほうではないかと思います。あとは、その獲得したユーザーをしっかりと定着させられるかどうかで全てが決まると思います。
なぜ、そこまで急成長できたのか?
創業以来、累計で100億円以上もの資金調達に成功するなどスタートアップ企業としては成功したと言っても良いFiNCですが、なぜここまで急成長できたのでしょうか?
もちろん、代表の溝口さんが優秀なことは大前提として、その理由は創業以来の取締役の人事を見れば少しは納得が行くのではないかと思います。
まず、創業間も無くFiNCは元みずほ銀行常務の乗松文夫氏を副社長として迎え入れ(現在は既に退任)両代表制で企業運営をしています。その後2015年には元ゴールドマン・サックス証券マネージング・ディレクターの小泉泰郎氏が副社長CFO兼CSOに就任しています。その後も元楽天代表取締役副社長の島田亨氏を顧問に迎えたり、元ミクシィ代表取締役社長の朝倉氏を戦略顧問に迎え入れるなど錚々たるメンバーを取締役ないしは、顧問、アドバイザーとして迎え入れています。いちスタートアップであるFiNCがここまでの大型資金調達に成功したのは紛れもなくこういったエキスパートの人たちの尽力があったことは疑いようない事実だと思います。
ただ、これだけの人材を迎え入れることができるだけでも溝口さんが優秀な経営者だということが分かりますね。
FiNCの資金提供企業
最後に、FiNCに実際に投資をしている企業も気になるところではあると思うので、その企業一覧を紹介したいと思います。
資金提供企業一覧(五十音順)
- アトラ株式会社
- 株式会社インテージホールディングス
- ANAホールディングス株式会社
- 江崎グリコ株式会社
- SBIインベストメント株式会社
- カゴメ株式会社
- キユーピー株式会社
- 株式会社クレディセゾン
- 株式会社グッドパッチ
- 株式会社講談社
- 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)
- 株式会社J-WAVE
- 資生堂ベンチャーパートナーズ
- SOMPOホールディングス株式会社
- 第一生命保険株式会社
- 株式会社竹中工務店
- 中部電力株式会社
- 帝人(TEIJIN)株式会社
- 日本電気株式会社(NEC)
- 株式会社ネオキャリア
- 株式会社広島ベンチャーキャピタル
- Fenox Venture Capital
- 株式会社みずほ銀行
- 三菱地所株式会社
- スパークス・グループ株式会社株式会社
- 明治安田生命保険相互会社
- 横浜キャピタル株式会社
- 株式会社吉野家ホールディングス
- ロート製薬株式会社
ご覧の通り、誰もが聞いたことのある大企業からVC(ベンチャーキャピタル)まで多くの企業が投資しているようですね。これだけFiNCの将来性に期待している企業があるということなので、個人的にもこれからFiNCの将来について良い意味で注視していければと思います。
まとめ
ということで、今回は最近CM等でも話題になっているダイエットやヘルスケアの総合プラットフォームサービスである「FiNC」について、どういった企業なのかということを少し掘り下げて紹介しました。
この記事のまとめ
- オンライン事業を中心にダイエット・ヘルスケア専門の総合プラットフォームサービスを展開している企業
- 創業10年未満だが注目の成長企業
- 創業以来累計で100億円以上の資金調達に成功している
- 将来性を期待されている企業
簡単にまとめるとこのような感じでしょうか。
ダイエットやヘルスケアという分野は昔から変わらず人々の関心を多く集める分野でもあるので、FiNCの戦略通りこの分野での総合プラットフォームとしての位置を確立することができれば長い目で見て安定的な収益をあげることが可能になると思います。
個人的には狙い所は良いと思うし、資金調達も成功し、中村アンさんなどをアンバサダーに迎え入れることに成功している点でも将来性に期待したい企業でもあるので、これからの成長に期待したいところですね。
そんな感じで、今回はここまで!また!